お年寄り人口の拡大にともなって、急激な患者様数の増加が予想される心臓、血管等の循環器系疾患への対策は、急を要する課題として私たちが直面しなければならない問題です。
長津田厚生総合病院では、循環器治療のエキスパートを新たに迎え入れ、心臓カテーテル室を平成 25 年 4 月に開設しました。
同時に、従来からの循環器内科を新しく「心臓血管センター」として再編したことで、「狭心症」・「閉塞性動脈硬化症(ASO)」をはじめとする循環器系疾患の治療にさらなる力を入れていきます。
1.狭心症治療への取り組み
狭心症の診断と治療
長津田厚生総合病院では、狭心症の診断・治療に大きな力を発揮する心臓 CT(冠動脈 CT)、心臓超音波検査装置(心エコー装置)、心臓カテーテル装置等の最新設備を用意して、 狭心症に悩む患者様の一日も早い回復のお手伝いをさせていただいています。
狭心症とは?
狭心症(angina pectoris)は、心筋梗塞への第一歩となる怖い病気です。心臓に酸素をおくる血管(冠動脈)に異常が発生することで、一時的に心臓が酸素不足になって、胸が痛くなったり、胸に圧迫感を感じたりするといった症状がでます。一般的に、締め付けられるような痛みや圧迫感です。
冠動脈の異常は、動脈硬化などの原因で起こるため、患者様の生活習慣が大きく関与していることは確かで、冠動脈の大部分が詰まってしまうと、心臓の細胞(心筋細胞)に壊死が発生し、心筋梗塞に至ります。
長年の生活習慣等による冠動脈の機能低下(狭窄)が原因で起こる病気ですので、中高年での発症率が高くなりますが、喫煙習慣はさらにリスクを高めると言われています。また、女性の場合には、閉経後のホルモン・バランスの変化によって病気が誘引される場合もあります。
2.閉塞性動脈硬化症(ASO)治療への取り組み
閉塞性動脈硬化症 (ASO) の診断と治療
長津田厚生総合病院では、閉塞性動脈硬化症 (ASO) の診断・治療にあたり、最新型 1.5テスラMRIをはじめ、心臓カテーテル装置等の最新設備を用意して、患者様に負担をかけない検査、治療を実現する為の取り組みを積極的に行っています。
閉塞性動脈硬化症(ASO)とは?
閉塞性動脈硬化症(ASO : arteriosclerosis obliterans)とは、幹として機能している太い動脈が詰まることによって、様々な症状を引き起こす病気です。
閉塞性動脈硬化症は、主に脚部(特に脚の付け根・ふともも・膝)に発症することが多く、その場合は、「下肢閉塞性動脈硬化症」と呼ばれます。
閉塞性動脈硬化症は、男性、とりわけ50 歳以降の中高年の発症する場合が多く、生活習慣によって引き起こされる慢性疾患の一つです。症状が軽い初期の頃は、脚部に変色がみらたり冷感があったりするなど、あれっ?と思うような程度ですが、放置したままにすると、少し歩いただけで痛くて歩き続けられなくなったり、より症状が重くなると、歩かないで安静にしていても脚部の痛みを感じるようになります。より重症化すると脚部に壊死が発生する場合もあります。