診療科トピックス・消化器病センター(外科)

鼠径ヘルニア(脱腸)の手術

→鼠径ヘルニア(脱腸)日帰り手術を始めました。※土曜日も可能


「脱腸」、「だっちょう」という呼び名でよく知られる「鼠径 (そけい)ヘルニア」についても、最近では日帰り手術が可能な場合も多くなりました。

腹腔鏡手術も多く行われるようになりつつあります。

鼠径ヘルニアについて

鼠径とは、太もももしくは足のつけねの部分のことを言い、ヘルニアとは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。鼠径ヘルニアとは、お腹の中の腹膜や腸の一部が、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる下腹部の病気です。一般には「脱腸」と呼ばれている病気です。

鼠径ヘルニアは子供の病気と思われがちですが、むしろ成人に多く、手術以外の治療方法がありません。痛みも少なく短期入院で済む新しい手術方法が普及してきており、生活の質を考慮すれば、積極的に治療した方がよい病気です。

鼠径ヘルニアの症状

立った時やお腹に力を入れた時に鼠径部の皮膚の下に腹膜や腸の一部などが出てきて柔らかい膨らみができます。普通は指で押さえると引っ込みますが、次第に小腸などの臓器が出てくるようになるので不快感や痛みを伴ってきます。膨らみが急に硬くなったり押さえても引っ込まなくなることがあり、お腹が痛くなり吐いたりします。

これをヘルニアの嵌頓(かんとん)と言い、急いで手術をしなければ命にかかわります。

鼠径部にはお腹と外をつなぐ筒状の管(鼠径管)があり、男性では睾丸へ行く血管や精管(精子を運ぶ管)が、女性では子宮を支える靱帯が通っています。年をとってきて筋膜が衰えてくるとこの鼠径管の入り口やその近くの腹壁の弱い場所が緩んできます。お腹に力を入れた時などにここに腹膜が出てくるようになり、伸びた腹膜の中にお腹の中の組織が出てくるようになります。

鼠径ヘルニアになりやすい人

鼠径ヘルニアは、乳幼児の場合はほとんど先天的なものですが、成人の場合は加齢により身体の組織が弱くなることが原因で、特に40代以上の男性に多く起こる傾向があります。

乳幼児でも中高年でも鼠径ヘルニアの患者様の80%以上が男性ですが、これは鼠径管が女性は男性より小さく、比較的腸が脱出しにくいためと考えられています。

また、40代以上では腹圧のかかる仕事に従事する人に多く見られます。便秘症の人、肥満の人、前立腺肥大の人、咳をよくする人、妊婦も要注意です。

鼠径ヘルニアの治療

成人の鼠径ヘルニアは自然に治ることはありません。また、有効な薬や運動療法もなく、手術のみが治せる治療です。ヘルニアバンド(脱腸帯)を使用している方もいますが、これは鼠径ヘルニアを治すものではなく、外から押さえることで一時的に鼠径ヘルニアの症状を軽くする対症療法です。最近では、ヘルニアバンドは圧迫により皮膚障害や精巣(睾丸)萎縮を招くおそれがあるとされておりお勧め出来ません。

鼠径ヘルニアは良性の病気ではありますが、放置すると嵌頓して緊急手術が必要になることもあります。嵌頓は鼠径ヘルニア患者様全体の約5%程度に起こると考えられていますので、嵌頓する前に早めの手術治療を受けましょう。

鼠径ヘルニアの手術

従来法

鼠径管の入り口を縫い縮め、腹壁の筋肉や筋膜を縫い合わせて補強します。これらの方法では、縫い合わせた部分につっぱりが生じ、術後の痛みの原因になったり、つっぱりの部分が裂けて再発することがあります。

術後の2~3日は安静にして、5~7日の入院が必要です。現在、長津田厚生総合病院ではほとんど行われなくなった方法です。

ダイレクトクーゲル法

形状維持リングに縁取られたポリプロピレン製の楕円形メッシュで筋膜の内側から腹膜のすぐ外側を広く覆い、鼠径部の弱い部分の全体を一度に補強して腸などが出てくるのを防ぎます。ポリプロピレンメッシュは50年程前から使用され、体内使用の安全性は確立されています。

ダイレクトクーゲル法

手術時間が短く、手術創の大きさは4cm程度で術後の痛みも軽く、再発率も従来法より低くなっています。また最小限の固定により術後の痛みや神経痛のリスクも軽減されます。手術時間は約30分です。

メッシュプラグ法

ポリプロピレン製のプラグを筋膜の弱い部分に入れて、ヘルニアの出口を塞ぐ方法です。

メッシュプラグ法

ダイレクトクーゲル法と同様に手術時間は短く、手術創の大きさは4cm程度で術後の痛みも軽く、再発率も従来法より低くなっています。

現在、長津田厚生総合病院では基本的にダイレクトクーゲル法もしくはメッシュプラグ法で手術を行っています。

鼠径ヘルニア術後の経過

手術翌日から歩行していただき食事も始めることが出来ます。特に問題がなければ手術後3~4日目で退院が可能になります。日常生活は普通にしていただいてかまいません。

座っての仕事は退院後1週間程してから、力仕事や運動は1ヶ月ほどしてからがよいでしょう。

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