正式名をヘリコバクター・ピロリと言います。
グラム陰性桿菌に分類される細菌で、4~6本の鞭毛を持ち、粘液中を動きまわります。
多くは小児期に胃の粘膜に感染して、そのまま住み着きます。50代以上の方で特に感染率が高く、小児期に上下水道等の衛生環境が整っていなかった事が関係していると考えられます。
最近は衛生環境の整備が進み、若年層での感染率は低下しています。
胃癌等の原因に
ピロリ菌の感染は胃炎、胃癌、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になります。特に注目されているのは胃癌との関係で、99%の胃癌はピロリ菌が原因という事がわかってきました。
検査について
ピロリ菌の検査は、胃粘膜の一部を採取して行う迅速ウレアーゼ検査や鏡検法、血中抗体測定、便中抗原測定等があります。ただし、これらの検査は胃カメラ(上部消化管内視鏡)を受けて頂き、慢性胃炎がある事を確認した場合のみ保険の適応となります。
治療について
検査でピロリ菌の感染が確認された場合は、飲み薬で除菌治療が出来ます。
除菌治療は胃酸を抑えるお薬と、2種類の抗生剤の内服になります。
しかし、治療は必ずしも成功するとは限りません。1回目の治療での成功率は80~70%程度と言われており、1回で除菌出来なかった方には、お薬を1種類変更して2回目の除菌治療を受けて頂きます。
2回目の除菌治療の成功率は90%以上で、ほとんどの方で除菌に成功します。
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