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【診療情報】便秘 原因とすぐできる解消法(消化器内科)

便秘 原因とすぐできる解消法(長津田厚生総合病院・消化器内科)

便秘とは

便秘とは、医学的には「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。簡単に言うと「3、4日以上排便がなく、お腹に不快感がある状態」です。

便秘は直接生命の危険に関わりにくいため軽視されがちですが、慢性的な便秘に悩んでいる方は少なくありません。

平成28年の国民生活基礎調査によると便秘の有訴者率は全体で2~5%程ですが、80歳代以上の高齢者では10.8%にまで達します。性別では女性が男性の約2倍で、若い方では女性が特に多く、高齢になるにつれて男性が増加します。

便秘は私たちの最も身近にある病気のひとつであり、また時に重要な病気が隠れている事もあるため、正しい理解と対処が必要です。

便秘の有訴者率(長津田厚生総合病院・消化器内科) 厚生労働省:平成28年国民生活基礎調査より作成

主な原因

便秘の主な原因(長津田厚生総合病院・消化器内科)

若い女性はストレス、ダイエット、女性ホルモンや妊娠・出産などが影響して便秘を引き起こします。また仕事の外出先や旅行先で便意を我慢して、排便のタイミングを逃してしまう事も要因となります。

高齢者は腹圧の低下、腸の動き(蠕動運動)の低下や、定年後の身体活動量の低下等が原因として挙げられます。

しかし、中には何らかの病気が原因になっている事があります。特に注意しなければならないのが大腸がんです。大腸がんは進行すると大腸が狭くなり、便が通りにくくなる事で便秘になります。また腸が完全に詰まってしまうと腸閉塞という状態になり、命に関わります。

便秘が続く場合や急に便秘になった時は一度、お近くの医療機関を受診される事をお勧めします。

すぐできる解消法

便秘のすぐできる解消法(長津田厚生総合病院・消化器内科)

まずは生活習慣の改善と食生活の見直しを行います。なるべく毎日20~30分程度のウォーキングを行ってください。歩くことで腸の蠕動運動が促進されます。

そして、食事は1日3食しっかりと、できるだけ決まった時間に食べてください。特に朝食をしっかり摂る事が重要です。

ある調査によると、便秘の大学生では約30~50%の方が朝食を摂っておらず、便秘でない大学生の朝食摂取率と比較して、有意な差がありました。

食事の内容は食物繊維の多い食べ物が大切です。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は果物や海藻、こんにゃくなどに多く含まれており、便の中に溶け込み、便を軟らかくして腸内の通過をよくします。

不溶性食物繊維は、豆類、根菜類、野菜類、きのこ類などに多く含まれ、腸の蠕動運動を促して排便効果が期待できます。

また水分摂取も心がけましょう。水分摂取は便を軟らかくして排便を促します。

治療について

便秘の治療について(長津田厚生総合病院・消化器内科)

生活習慣や食事を見直しても便秘が改善しない時は内服薬(便秘薬)での治療を考えます。

内服治療で重要な事は便の性状を改善させる事です。

便の性状は『ブリストルスケール』と呼ばれる指標があり、臨床現場ではしばしば利用されています。

便の性状(ブリストルスケール)

タイプ 外観 性状
1 ブリストルスケール1 コロコロ便
2 ブリストルスケール2 ソーセージ状だが硬い便
3 ブリストルスケール3 表面にひび割れのあるソーセージ状の便
4 ブリストルスケール4 柔らかいソーセージ状の便
5 ブリストルスケール5 柔らかい半分固形状の便
6 ブリストルスケール6 泥状の便
7 ブリストルスケール7 水様の便

便秘の人はこのスケールでタイプ1から3の便が多いのですが、治療目標としてタイプ4または5を目指します。

便秘薬(下剤)はその作用によって、腸内の水分を集めて便を軟らかくする非刺激性下剤と、腸の動きを活発にして排便を促す刺激性下剤の大きく2つに分けられます。一般的には、まず非刺激性下剤を使用します。効果が乏しい時は、刺激性下剤を追加します。

なお、市販されている便秘薬も非刺激性下剤と刺激性下剤に大きく分かれておりますので、購入される時は、その薬がどのようなタイプなのかを理解した上で購入される事をお勧めします。

ご参考までに主な便秘薬の成分を作用別に表にまとめました。市販されている便秘薬のほとんどは表にある成分で作られています。

主な便秘薬の成分(作用別)

種類 主な成分 作用
便を軟らかくする
非刺激性
塩類下剤 酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなど 塩類が腸管内に水分を集めて便を軟らかくする。
膨潤性下剤 プランダコ・オバタ種子(食物繊維) 腸管内で水分を吸収し便を軟らかくする。それにより腸の蠕動運動も促す。
浸潤性下剤 ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)など 腸管内に水分を集め、界面活性作用で便を滑りやすくする。
腸の動きを活発にする
大腸刺激性
刺激性下剤 センノシド、センナ、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなど 腸粘膜や神経を刺激し、腸の蠕動運動を促す。
漢方薬 大黄、甘草など 腸粘膜や神経を刺激し、腸の蠕動運動を促す。

それでも効果が不十分な時は新規の便秘薬に切り替えます。現在、作用機序の異なる便秘薬が次々と登場しており、選択肢が増えてきています。

以上、簡単ですが便秘についてまとめました。一人でも多くの便秘に悩む方の参考になればと思います。

関連情報

消化器内科(消化器病センター)のご案内

便秘に関して何科を受診すればよいのかわからない方、症状にお悩みの方、ご不明点は当院の消化器内科(消化器病センター)へお気軽にご相談ください。

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